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カテゴリ:コラム( 4 )

労働時間法制の見直し

このところ、労働時間管理(長時間労働や残業時間)の実態や、
裁量労働制の導入状況や運用実態などに関する調査のために
行政機関からのアポイントがある、という話を聞く機会が増えました。

どうやら、
「労働時間法制の見直し」に向けた動きが活発化しているようです。

2013年12月5日に行われた第22回「規制改革会議(内閣府)では、
労働時間法制等の見直しが、1つのテーマとしてあげられました。
内容は、「労働時間の適用除外制度を新しくすること」です。

現在の労働基準法では、「労働時間」が働き方のものさしとなっています。

しかし、実労働時間による一律の労働時間管理で
成果を測ることがなじまない労働者がいます。
一方、長時間労働が労働者に与える健康障害は、大きな社会問題であり、
年次有給休暇や長期休暇等の取得率は、国際的にも低い状況です。

生産性を上げ、長時間労働を解消して労働者の健康を確保するためには、
労働時間の長さと賃金のリンクを切り離し、
労働時間制度が必要ではないかというものです。

具体的には、
① 管理監督者の適用除外
② 裁量労働制
この2つについて、わかりやすく実態に即した新制度とするものです。
①については、「名ばかり管理職」に対する残業代未払い問題で取りざたされており、
皆様もご存知のとおり悩ましいところでしょう。

今回の提案内容のポイントは以下のとおりです。
① 適用除外の範囲は、労使協定の締結による。(国が対象範囲の目安を示す)
② 割増賃金制度は、深夜も含めて適用しない。
③ 労使協定の行政への届出を義務化する。(使用者の恣意的運用を排除するため)
④ 労働時間の量的上限規制と休日休暇の取得促進に向けた強制的取り組み
のセット導入をすること。(ワークライフバランスの促進)

上記④は、自動車運転者において、
長時間労働による健康障害(脳・心臓疾患)の発症の抑制や
健康障害を起因とする労災事故を防止する目的から、
改善基準告示により導入されている仕組みと同様の考え方です。

今後、中小企業に猶予されている時間外割増賃金率などとあわせ、
労働政策審議会で議論を重ね法制化され、
一定の試行期間を設け過半数組合のある企業に限定し導入されていきます。

【参考資料】
内閣府

( 社会保険労務士 山下智美 )
by GrowUp-Sr-Member | 2014-01-09 09:45 | コラム

健康保険で休業補償!

◆健康保険で休業補償!
 ~傷病手当金をもれなくもらうポイント~

もしも病気やケガでしばらく会社を休まなければ
ならなくなったとしたら、気になるのはその間の収入ですね。
そんな時、健康保険の被保険者であれば、
その間の生活を保障する為に『傷病手当金』が支給されます。

支給額は1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額で、
支給期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。

そして、以下4つの要件すべてに当てはまる必要があります。
①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
②仕事に就くことができないこと
③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
④休業した期間について給与の支払がないこと

公的な保険にも関わらず所得補償保険が
付いているようなものですから、とても有難い給付ですね。

傷病手当金をもれなく受給する為に、
以下2つのポイントを参考にしてもらえればと思います。

●『医師が労務不能と認めた期間』には
自宅療養期間も含まれていますか?

傷病手当金の申請書には医師の証明を受ける欄があります。
その中の『医師が労務不能と認めた期間』が、
療養のために休んだとして申請する期間になります。
入院を伴った場合、この証明期間を
入院期間と同じに記入する医師が多くいらっしゃいます。

しかし、実際は入院前後に自宅療養していた期間も
療養の為働けない場合があり、
その期間も含めて医師から証明をもらえれば
その分の手当金も支給申請することができます。

医師に証明をもらう際には、
この期間についてよくご確認ください。

●退職後も条件によっては受給できます。

病気やケガをきっかけに退職する方もいるかと思います。
それでも以下2つの要件に当てはまれば、
退職後も引き続き傷病手当金を受給できます。

①退職日までに被保険者期間が継続して1年以上ある。
②退職日に傷病手当金を受給している、又は受給できる状態にある


日頃、健康保険料をしっかり払っている分、
受給要件に当てはまるときはぜひ傷病手当金を活用してください。

なお、加入している健康保険組合等によっては
要件や給付内容が異なりますので、
申請する際には加入先の健康保険者にお問い合わせ下さい。

また、国民健康保険には原則として
傷病手当金はありませんのでご注意ください。

【参考資料】
全国健康保険協会

(社会保険労務士 加藤真理子)
by GrowUp-Sr-Member | 2013-12-16 13:20 | コラム

勤労者短観の調査結果から

この10月初旬に、
連合総研から「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート」の結果が発表されました。
この調査では、勤労者の景況感や物価、仕事に関する意識調査などが毎年行われます。

今年は、この他に、残業の実態や時間管理など職場の状況と
勤労者のいわゆる「ブラック企業」に関する認識についても意識調査が行われました。

まず、過去1年の職場における違法状態に関して、
最も多い全体の約2割が、「残業代の未払いがあった(19.3%)」と認識し、
次いで、「有給休暇を申請しても取れない(14.4%)」となっています。

そして、この職場における違法状態への対応としては、
「何らかの行動を起こす」としている回答者は約半数の44.6%で、
「何も行動しない(今の職場に残る14.1%)(現在の仕事をやめる18%)」を
大きく上回りました。

その行動とは、上司や同僚への相談だけでなく、
「労働基準監督署への申し立て(36.4%)」「行政の労働相談の利用(27%)」
など、外部機関への訴え・相談などが上位に入っており、
企業に対し、何らかの対応(遡及)・改善措置などを求め、
泣き寝入りはせず決着したいという勤労者の意思が伺えます。

また、景気・物価や賃金に対する意識調査では、
1年後の景気見通しは悪化、物価は上昇すると認識する人が多い上に、
賃金収入の増減については改善が見られず、
今後の見通しも厳しいとの認識結果が出ています。

先行きへの不安から、現状にとどまり我慢するのか、
企業に対する不満や不信感を解消するために、自らの権利を主張するのか・・・。

調査結果からもわかりますが、私の感覚からしても、
このところの企業からのご相談件数の増え方やそのご相談内容を考えてみれば、
圧倒的に後者が増加しているように感じています。

企業としては、
自社の労務管理上に違法状態となっている箇所がないかを確認し、
万が一、違法状態となっている箇所が見つかった場合には、
早急に改善する必要があるでしょう。

公益財団法人 連合総合生活開発研究所
「第26回勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」


(社会保険労務士 山下 智美)
by GrowUp-Sr-Member | 2013-12-02 09:17 | コラム

産休中の社会保険料免除について

先日ある顧問先から、平成26年中に出産予定のある社員さんの
産前・産後休業および育児休業中の社会保険料
(健康保険料・厚生年金保険料)についてご相談を受けました。

現行では、育児休業中は社会保険料が免除になるものの、
産前・産後休業中(産前6週間・産後8週間)は
社会保険料の負担が発生します。

ですから産休中で給与の支払いがないにも関わらず、
社会保険料だけは本人から徴収するなど、
給与計算をする者にとっては処理が煩雑な所があります。

そのように処理に気を使う出産関連の手続ですが、
平成26年度は大きく動きがあります。

平成24年の法改正により、平成26年4月から
産前・産後休業中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)も
免除になることが決まりました。

しかもその期間は休業前の保険料を支払った場合と同等に
厚生年金保険の加入期間とみなされますので、
子育て世代の女性にとって、とても喜ばしい改正ですね。

しかしながら、気をつけていただきたいのが、
いつ産前・産後休業が開始し、そしていつ終了するのかということです。

平成26年4月1日以降に産休に入るなら、
社会保険料は最初から免除されますが、
それより前に産休に入っていた場合、
免除となるのは4月分の保険料からですので、
3月以前の分は保険料が発生してしまいます。

免除されるのは「産前産後休業を開始した日の属する月から
その産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間」
となっております。
そして保険料の免除は日割計算ではなく「月単位」で行われます。

これから出産を控えている社員の方は、
その産休期間の時期によって、社会保険料が発生したり、
免除になったり、部分的に免除になる場合もありますので、
ぜひ注意して処理を進めてください。

なお、この産休中の社会保険料免除の手続ですが、
具体的にどのような手続が必要なのかは、
今現在まだ決まっておりません。

今後手続が必要な際には
年金事務所にご確認の上、手続を行ってください。

(社会保険労務士 加藤 真理子)
by GrowUp-Sr-Member | 2013-11-18 17:26 | コラム